Twitterで詐欺に遭った場合、どのように対応するのが良いのでしょうか?良くある詐欺のケースでは、ライブチケット / SNSの招待コード / ゲームアイテム / 代理購入を条件にPayPay・Amazonギフト・プリペイドカードでの支払いを要求されることが多く見受けられます。民事なのか刑事問題なのか、詐欺罪として警察に受理されるのか?いくつかの要点をまとめて行きたいと思います。
Twitter詐欺で良くある被害例
詐欺取引の対価例
- ライブチケット:アイドル(TWICE、坂道、ジャニーズなど)や芸能人のライブや公演
- テーマパークチケット:USJ、ディズニーランド、ディズニーシー
- ゲームアイテム:モンスト、FGO、パズドラ、白猫、グラブル、FF14、ドラクエ、Apexなど
- Amaon ほしい物リスト
Twitterには、上記のような対価取引を求めるツイートが多くあります。人気アイドルやゲームアイテム、テーマパークのチケットなど、探せば切りがない程です。
ライブチケットは、競争率が高く、販売数・人数制限がある為、転売や代行してくれる方がいると、ついつい依頼してしまいますが、とても危険です。実際にTwitterで「代行 ライブ」と検索してみると、無限に出てきます。実際の取引時に何らかの理由を付けて先に送金を求められることが多いです。
テーマパークに関しては、チケットはもちろん、限定グッズの代理購入などもあります。グッズ交換などオフラインで会場で交換する場合は、リスクは低いですが、後から破損などを理由に金銭を要求される場合があるので絶対にしないことをおすすめします。
ゲームアイテムでは、未成年の方に多くの被害があるようです。というのも18歳未満でのアイテム購入課金は、制限されてることが多く、アカウントを貸すことによる代理購入、またはゲーム内での交換を条件に先に金銭を要求されることが多いです。未成年者本人が自ら課金した場合は、民法で定められた「未成年者取消権」によって事業者に問い合わせることが返金が可能ですが、代理購入や交換そのものを事業者が認めていないケースがほとんどなので、問い合わせても対応が難しいことほとんどです。
では、こういったインターネット、Twitterを含むSNS上での詐欺で金銭の支払いに要求されるサービスを見ていきたいと思います。
支払い方法に要求されるサービス
- 電子決済アプリ:PayPay、楽天Pay、メルペイなど
- プリペイドカード:WebMoney、BitCash、Amazonギフトなど
- アカウント情報提供:アカウント情報を一時的に貸して代わりに購入してもらう行為
取引時の多くが電子決済アプリ、プリペイドカード、アカウント情報提供になります。その中でも、プリペイドカード(WebMoneyやBitCash、Amazonギフトコードなど)そして、電子決済アプリ(PayPay、楽天Pay、メルペイ)が多くを占めています。
プリペイドカードが利用される理由
- 個人情報を特定できない
- プリペイドカードの購入店舗の特定が困難
- 少額被害は警察に受理されづらい
WebMoneyやBitCash、Amazonギフトコードなどの場合、コンビニ等で個人情報を提供せずとも誰でも購入する事が可能で、足跡が残りません。コードから店舗情報を特定する事は可能のようですが、少額の場合、警察は被害届を受理してくれない事が多く、事業者や店舗も問い合わせしても対応できない事が殆どです。
電子決済アプリが利用される理由
- 個人情報を特定できない、事業者が開示してくれない
- 少額被害は警察に受理されづらい
- アカウントの削除が簡易(本人確認しなくても使える)
PayPay、楽天Pay、メルペイなどの電子決済アプリでの送金を要求される事が増えています。QRコード決済、非接触型決済などの電子決済が一般化が進んでおり、経済産業省の調査では、2023年時点でキャッシュレス決済比率が26.1%(111兆円)まで伸び、電子決済が一般化されて来ているのがわかります。
また、PayPayのシェア率が1番でd払い、モバイルSuicaなどのシェア率も増えており、全体として電子決済の利用率が高まっている事も要因の1つです。
誰もが利用していて手軽に送金・受け取りができる。便利ではあるが利用には注意が必要です。
個人情報をを特定する方法
- 電子決済アプリの事業者に問い合わせしてみる
- ゲーム、ライブの運営事業者に問い合わせしてみる
- 弁護士に相談して開示請求を行う
個人情報保護法の観点で事業者に問い合わせしても情報を提供してくれない事が殆どですが、問い合わせしてアカウントを監視調査してもらい、事業者の運営に支障が出る場合や利用規約に反している場合、アカウント停止処置や会社の顧問弁護士経由で事業者が対応する事があります。
※ 不特定多数の人にアカウントや個人情報を晒す事はやめましょう、詐欺罪にならない場合、逆に名誉毀損で訴えられる場合があります。
Twitterでの取引詐欺は民事?刑事?
- 民事事件?刑事事件?
- 個人情報を特定する事は可能?
- 返金対応してお金は返ってくるのか
民事事件?刑事事件?
結論:詐欺罪による刑事問題(刑事事件)として成立する
とはいえ、詐欺罪の構成要件を満たしているだけであり、実際には、少額取引であり、個人情報を特定しない限り、弁護士も動けない事が殆どです。
詐欺罪の構成要件とは?
- 欺罔(ぎもう):加害者が人を騙すために嘘を付く行為、真実の場合、詐欺罪になりません。
- 錯誤:加害者に真実ではない事を伝えられ、被害者が真実だと思いこんでいる状態
- 交付行為:錯誤により相手が金銭やアカウント情報など何かしらの財産を差し出す行為
- 財産移転:加害者が受け取った財産を第三者に渡す行為
上記が詐欺罪になる構成要件です。Twitter被害で先に書いた、ライブチケットやグッズ交換、アイテム交換などの場合、欺罔、錯誤、交付行為がポイントになってきます。
参考: 詐欺罪の構成要件と逮捕後の流れ|身近に存在する詐欺の手口と落とし穴
ベンナビ刑事事件
弁護士: 相手方の氏名や住所を特定することが困難な事案であり、法律的な解決は難しいと思われます。 一応、paypay側に問い合わせをしていただいても良いとは思いますが対応は期待できません。
ココナラ法律相談
詐欺罪にならない例
- アイテムが有ったけどバグにより送れない、同時にアカウントのパスワードを紛失してしまった。
- ライブチケットを実際に送ったのにエラーで反映されていない。
- 病気や何らかの理由でAmazon欲しい物リストから商品を送ってもらった。
上記のような事が真実の場合、詐欺罪にはなりません。
個人情報を特定する事は可能?
PayPayなどの電子決済アプリによる取引の場合、アカウント情報を控える。PayPayに問い合わせを行っても、個人情報を保護する義務があり、実際に詐欺罪として証明されていない為、被害者個人からの問い合わせに答えてくれない事が殆どです。
またプリペイドカードも同様、店舗も特定できず、プリペイドカードの事業者に問い合わせしてもお答えする事ができない事が殆どです。
警察や弁護士から事業者に問い合わせしてもらい、開示請求等を行う事で、個人情報を開示してもらう事は可能ですが、少額の場合、被害届けを受理してもらえず、弁護士費用も大金なので、被害者としてはデメリットが大きいのが正直なところです。更に、実際に詐欺罪として認められず裁判で負けた場合、失った額よりも、費用で多くのお金が発生してしまいます。
そのため、お金は返ってこない事が殆どです。
また事業者との取引ではないため、消費者庁も当然、動いてくれません。
詐欺罪に遭った場合は、どうする?
絶対にしてはいけないこと
- 詐欺罪の構成要件を満たしている確証がない場合、Twitterで加害者の個人情報を募ったり、拡散したりするのは絶対にしない事をおすすめします。不特定多数の場で発信し詐欺罪として認められない場合に、名誉毀損などの罪に問われる可能性があります。
やるべきこと
- 警察に被害状況の相談、情報提供を行う。少額とはいえ、多くの被害者から情報を提供された場合に、警察が動いてくれる可能性があります。
- SNSではなく、弁護士ドットコムや法テラスで無料相談しましょう。警察が動いてくれなくても、個人情報の開示、裁判準備を行ってくれる可能性があります。(調査には費用がかかります。)
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まずは、弁護士に相談してみてください。その際、事実を明確にして被害状況を相談すると、求めている正しい回答を得られる事が多いです。
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